アヴァシンの帰還 色別レビュー:赤

やあ (´・ω・`)
ようこそ、EXTRA プレゼンツ・アヴァシンの帰還レビュー赤編へ。
この《血と鉄の酒》はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、これが初レビューなんだ。済まない。
みやけんさんの顔も三度までって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このレビューを最後まで読んだとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれると思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。
そう思って、このレビューを書いたんだ。
じゃあ、行ってみようか。
~コモン編~

リミテッドなら 1 マナ全体強化はなかなか強そう。ほっといてもクリーチャーは横に並ぶし。
《ハンウィアーの槍兵》で先制付けて使いたいなー。

最低でもクリーチャーが 4 体以上いないと《煮えたぎる歌》以下。《巣穴からの総出》を使うデッキなら採用を考えていいと思う。
《発熱の儀式》
↓
《煮えたぎる歌》
↓
《巣穴からの総出》
↓
《戦いの賛歌》
↓
《炎の中の過去》
↓
《戦いの賛歌》フラッシュバック
↓
《巣穴からの総出》フラッシュバック
とかやれたら身体のあちこちからいろんな汁が吹き出しそう。

バーンやスライなら手札補充に、ドレッジやリアニなら墓地肥やしにと様々な使い方が考えられるグッドスペル。こういうの大好き!
スタンモダンレガシー全部で使われると思うよ!

テキストだけ読んで《略奪》再録キタ!?
と思わせといてやっぱり《破砕》でした。ですよねー。はい解散。

《交差路の吸血鬼》が一回り小さくなって速攻が付いた。とりあえず自分で一発殴りに行けるのは良いんじゃない?

除去にも強化にも使えるよ!
でも残念ながらこの手のオーラが使われたことは今まで無いよ!

《ヘイヴングルの吸血鬼》とコストも基本サイズも一緒ですが、威嚇が付いてる分こっちの方が使いやすいんじゃないでしょうか。でも何故かこっちがコモンだったりするんだけど。

誘発条件が人間限定じゃないので、割と高い打点で殴れそう。
でもタフネス増えないからワンパンして死ぬ未来しか見えないのが残念。

赤には 3 種類いる結魂持ち。こいつは先制攻撃付与。適当に他のクリーチャーとくっつけてもそれなりに強いし、接死や絆魂持ちならヒャッハーできるな!

今回青にはルーターいないのか。そしてなぜか赤に来た。ルーターで 4 マナはちと重いけど速攻ついてるからリミテッドなら即採用。手札が無いと能力が起動できないので注意。

ブロックさせないオーラ。タッパーほどの強さは無いものの、軽いしブロッカー排除にとても便利。赤タッチできるならピック候補に挙がるでしょう。

一見したところ《小村の隊長》の劣化版ですが、本人も強化されるので単体でアタックするときだけはこっちが優秀です。
それ以外の使い道としては、ヤフオクで落札されたカードを郵送する時の緩衝材に使うというテクニックがあります。
スリーブに 4~5 枚入れたのを 2 組作り、それで送るカードを挟んでセロテープで固定し、チャック付きビニール袋に入れます。これで普通郵便なら 90 円で送れます。メール便は到着に日数がかかるのでお勧めできません。

火にくべて暖を取るためのカード。

ブロック時にダメージ飛ばせないので《灰口の猟犬》よりはだいぶ落ちるなー。コモンの 1 マナ 1/1 ならこんなもんなんだろうか。

リミテッドで出番のありそうなパワー倍化スペル。3 マナと軽いものの、増加量が対象に依存するので使い時は限られるか。

クリーチャーには飛ばせないけどリミテッドでは優秀なダメージ源。6 マナ貯まったらさすがに無視できない。
構築では無限マナのお供にどうぞ。

不死&頑強殺しのナイス火力! 《マグマのしぶき》と違いプレイヤーに飛ばせるので無駄にならないのが嬉しい。スタンダードはもちろん、《台所の嫌がらせ屋》が鬱陶しいモダンでの活躍が見込まれます。

トークン出すスペルで何でここまで白との扱いが違うんでしょうね。《カルドーサの再誕》の人間版じゃダメなんか? こんな格差社会ならそりゃあ職人も反乱するさ。

懐かしいなー。当時は全然使わなかった。今回は天使専用火力としてリミテッドのサイドボードを大いに盛り上げてくれることでしょう。
……せめて「打ち消されない」くらいはつけて欲しかった。

《殺戮の叫び》の先制攻撃が速攻になった。1 マナ軽くなったとは言えコンバットトリックとしては弱体化してしまった感が拭えない。
構築では……速攻付けたいなら《稲妻のやっかいもの》使うよねー。
~アンコモン編~

いちおう全体除去ではあるけど使いどころがかなり限られるスペル。除去よりも攻撃強制スペルとして考えた方がいいのかも。

なぜだッ! なぜプレイヤーに撃てないんだッ! ウーズコンボやら《高まる残虐性》やらで面白そうなことができそうだったのにッ!
リミテッドでは一回パンチ通しただけで結構ヤバいことになりますね。カウンターを乗せられるカードが取れたらぜひ使いましょう。

《燃え投げの小悪魔》は ISD-DKA リミテッドで結構お世話になったんですが、1 マナ増えたら振り分けられるようになってました。初手級とはさすがに言えませんが 3~4 手目で流れてきたらピックしちゃいますね。

戦闘ダメージでカウンター乗るのはこれまでの吸血鬼と一緒ですが、こいつは他人の生き血まで死肉に群がるハイエナのごとくすすります。放置してればそのうちヤバい大きさになるんでリミテッドではなかなかの戦力になりそうです。
構築では……《永劫の輪廻》とサクリ台で《メムナイト》をぐるぐる回してカウンター貯めて投げ飛ばしましょう。

プレイヤーにしか飛ばせないのが難点ですが、今回は《一瞬の瞬き》系スペルがいくつかあるんで、何度かちらつかせてればそこそこダメージ稼げるんじゃね?的な。
あーでもこいつ自体が人間だから最低 1 点は保障されてるのか。何か無限コンボのニオイがするな。くんくん。

「1 マナ軽くなって殴れるようになった《ヤヴィマヤの火》」と書いてみると何かヤバげな雰囲気が。《刃砦の英雄》や《聖トラフトの霊》が速攻で殴ってくるのは悪夢でしかないし、地味なところでは《降霊術》で出したトークンが殴れたりも。
いままでレッド不在だった 2 マナ戦隊コワレンジャーの仲間入りも夢じゃないかもね!
立ってるだけでカモン爆アド! 土地がめくれりゃ宇宙キター! コワレブラック!
2 マナ 7/8 当たり前! 地上最強のバニラ! コワレグリーン!
五色の剣は我が手中に! 禁止されてもイベントデッキ売り逃げだ! コワレホワイト!
稲妻ハンデスマナリーク! 呪文は使い回してこそナンボ! コワレブルー!
誰でも速攻! 財布に優しいアンコモン! コワレッド!
《呪文嵌め》は勘弁な! 2 マナ戦隊コワレンジャー!

こちらの結魂持ちはパンプアッパー。できれば回避能力持ちと合体したい。

ティムオーラ来ました! リミテッドで糞強そうですね! 以上!

今回の目玉とも言える 1 マナ 5 点火力。まあ初手にさえなければ良いのでデッキに入れる価値は十分あると思いますよ。
60 枚デッキに 4 積みすると初手に入る確率が約 40 %弱なので、それを多いと見るか少ないと見るか。あえて 2~3 枚に抑える構築もありかもね。

変なコンボ好きとしてはなんか臭う一枚。人間の無限ループさえ作れればいいんだけど。
頑強 or 不死付きの人間いないかなーと思って検索かけたらいなかった。
~レア編~

《ヴィーアシーノの砂漠の狩人》がドラゴンになって帰ってきたよ! それも久々の構築級ドラゴンだ! 最近のドラゴンはドラゴン(笑)状態だったのにねー。
全体除去や《忘却の輪》、《ヴェールのリリアナ》をかわして殴れるのは偉い!
毎ターン 4 マナ拘束されるのはちょっと重いかな?って気もするけど、何度もキャストしてれば《燃え上がる憤怒の祭殿》のカウンターも増えてくから悪くないね!
スピリットトークン? 知るか!

1 体タップで 3 点、3 体タップで 9 点、10 体タップで 30 点、256 体タップで 768 点、65,536 体タップで 196,608 点叩き込めます。《巣穴からの総出》でトークンいっぱい出してぶち込もうぜ!
一方、ロシアはトークンで殴った。
ロシアと言えば全然関係ないけど最近ロシア語版にハマっちゃいましてねー。知ってるロシア語なんてボルシチとピロシキとテトリスだけなんですけどねー。
でもやっぱ《マナ漏出》は新枠旧絵の黒枠(← 9 版ロシア語版にしか存在しない)しかありえないですよねー。

白枠とかケツ拭く紙にもなりゃしねえぜ!ってどっかのコマンダー豚が言ってました。ブヒ。

火力適当にコピーしてるだけでも強そうだけど、マナブーストや土地破壊スペルまで何でも 1 マナでコピーできちゃうのは凄い!
……と一瞬だけ思った。
コピー能力がそんなに強かったら《炬火のチャンドラ》はこんなに値崩れしないわな。

二段攻撃+不死とかなり高性能なお犬様。でも赤の 4 マナ域は《大翼のドラゴン》《地獄乗り》《オキシド峠の英雄》《槌のコス》《高原の狩りの達人》と大渋滞なので、そいつらを差し置いて採用できるかどうかってところ。
あ、いちおう《目覚ましヒバリ》で釣れるな!

奇跡が起きれば《Wheel of Fortune》。素撃ち 5 マナなら全然ありだと個人的には思う。まあ構築で出番あるかと言われると、何に入るか分からない。

お互い生け贄なんて何か《小悪疫》みたいでうまく使えば強そうじゃない!
とは言っても 7 マナはさすがに重過ぎる。せいぜい 5 マナくらいが適正だと思うけど……。

不確定アドバンテージがなんとも赤らしい一枚。クリーチャーとしてみるなら 7 マナ 7/7 バニラはさすがにお呼びじゃない。見方を変えて、最低でも土地一枚+αを壊して 7/7 が付いてくると考えるとまあまあ良さげ?
…… 7 マナ払ってやることじゃないな。

クリーチャーだけでなく何でも奪えるので使い勝手は良さそう。パーマネントを生け贄にする手段と併用してドヤ顔したいです。殻には確実に入ってくるだろうなー。
リミテッドでは《雲隠れ》や《幽霊のゆらめき》などを上手く使って永久にパクっちゃいましょ!

モダンで《野生のナカティル》禁止しといてこれかよ!!
選択権が相手にあるカードは弱いとよく言われるけど、こいつの場合は出た時点ですでに仕事は完了してる。こいつがデッキに入っているのが判明した時点で相手の初手キープ基準が厳しくなるわけで、そういう意味でも環境に少なからず影響を与えるカードなのは間違いない。
とりあえず《イーオスのレインジャー》で 2 枚持ってきます^^
《再誕の宣言》で 3 枚釣りますね^^
~神話レア編~

相手だけ全体《猛火》のクレイジースペル来ました!
X=2 くらいで素撃ちしても十分強いのに奇跡だとさらにミラクルマシマシ相手は台パン!
リミテッドでは 10 点、いや 15 点級のカードですな!
もちろん構築でも十分行けると思いまっせ!
トロンとかに入れるのはマジ勘弁っす!

殴れば殴るほど小さくなってしまうので、さっさと 10/10 で出して《投げ飛ばし》ちゃうのがいいんじゃないでしょうか。でなきゃ《審問官のフレイル》持たせるとか。
まあいわゆるがっかり神話枠ですな。
あーやっと終わった。
初めてのレビューでしたが、いかがでしたか?
一色だけならかんたんだろうと思ってたんですけど、41 枚もやるとなると結構骨が折れますね。会社の昼休みに書いたり、通勤電車内でスマホを使ったりしてちょこちょこ書いてましたが、結局終わったのはプレリリースの前日になってしまいました。
ゴールデンウィークから始まる新環境、そして来たるべきグランプリ横浜に向けて少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでは楽しいマジックライフを!
ごきげんよう!アディオス!
……。
………。
…………。
……あれ? もう一枚あったぞ?

プレインズウォーカーというカードタイプが登場して早 5 年。初出となった《タルモゴイフ》のテキストではからくりと同じくネタ扱いされながらも、ローウィンで満を持してデビュー。《野生語りのガラク》はショップで 3,000 円を超えるトップレアとなる。
それから今日までの間、様々なプレインズウォーカーの面々がトーナメントシーンを鮮やかに彩ってきた。
《サルカン・ヴォル》、《ニッサ・レヴェイン》、《燃え立つチャンドラ》、《ソリン・マルコフ》……。
そんな華々しい面々に、ついに新たなメンバーが加わる時が来たようだ。彼はこれまでのプレインズウォーカーとはあらゆる点において一線を画している存在である。
どれだけ彼が異質な存在であるか、ここでじっくり検証してみようと思う。
(1)軽い
軽い、軽すぎる。歴代最軽量の 2 マナである。
8 マナの《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》をヘビー級、7 マナの《解放された者、カーン》をライトヘビー級とするならば、《悪鬼の血脈、ティボルト》はストロー級並みの軽さだ。《闇の腹心》でめくれてもわずか 2 点。《猿人の指導霊》から 1 ターン目に登場するプレインズウォーカーなど前代未聞だ。
なんと恐るべき存在なのだろうか。
(2)墓地を肥やせる
プレインズウォーカーの強みは、その能力でアドバンテージを取ることにある。
歴代最弱プレインズウォーカーと呼ばれたナメクジ女ですら、ボード・ライフの両面でアドバンテージを取ることができる。
では彼の場合はどうか。
「+1:カードを 1 枚引き、その後カードを 1 枚無作為に選んで捨てる」
素晴らしい能力ではないか!
マジックにおいて墓地は第二の手札である。マナも手札も消費せずに墓地を肥やすことができるなんて!
なんという爆発的アドバンテージ!
「無作為に」
・・・・・・?
これはきっとノイズである。無視することにしよう。
(3)直接ダメージを叩き込める
対戦相手に直接ダメージを与える能力は赤のプレインズウォーカーの特権と言える。
そこで彼らが与えられるダメージの値をまとめてみた。
《復讐のアジャニ》:3 点
《燃え立つチャンドラ》:4 点
《炬火のチャンドラ》:6 点
《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》:7 点
《チャンドラ・ナラー》:10 点
なんと言うことであろうか。
プレイヤーを一撃で葬ることができるプレインズウォーカーはこれまで一枚たりとも存在していなかったのである。神話レアの分際で。
では彼の場合はどうか。
「-4:プレイヤー 1 人を対象とする。悪鬼の血脈、ティボルトはそのプレイヤーに、そのプレイヤーの手札にあるカードの総数に等しい点数のダメージを与える」
素晴らしい能力ではないか!
この能力で与えられるダメージには実質上限が無いに等しい。相手の手札を 20 枚にしてこの能力を起動すれば、勝利は君のものである。歴代のプレインズウォーカーを超越したこの力、使ってみたいとは思わないか?
相手の手札を 20 枚にする方法、それはぜひ君の手で編み出してもらいたい。それがマジックの醍醐味なのだから。
(4)コントロールを奪える
「お前の物は俺の物。俺の物は俺の物」―― 剛田武
これはかの有名なジャイアニズムという思想である。見た目はどう見てもスネ夫なのだが。
さて、クリーチャーを奪う能力は時に壊滅的なダメージを相手にもたらす。子飼いの手下たちがいきなり牙を剥いて自分に襲い掛かってくるなんて、想像しただけでも恐ろしい。
では彼の場合はどうか。
「-6:ターン終了時まで、すべてのクリーチャーのコントロールを得る。それらをアンタップする。それらはターン終了時まで速攻を得る」
素晴らしい能力ではないか!
特筆すべきは、この能力は対象を取らないという点である。
あの糞忌々しい《最後のトロール、スラーン》や《聖トラフトの霊》はもちろん、《大祖始》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》までもが君の前に跪いて忠誠を誓うのだ。ほんの一時かもしれないが、それで十分ではないか。
そしてこの能力にはもう一つ利点がある。それは速攻だ。
自分で場に出したクリーチャーすべてに速攻が付く。まさに祭りである。《狩り立てられた恐怖》を出して能力を起動すれば、トークンを奪い取って 13 点叩き込めるのだ! まさに悪鬼のごとき所業である。
場にクリーチャーがいなかったら?
何も心配することは無い。君に対する脅威が一つ減ったんだ。喜ばしいことと捉えようではないか。それだけで君の敗北が遠のいたんだから。
……もうこんな時間か。少し語りすぎたようだ。
彼への賛辞を挙げていくと本当にきりが無い。
ここで私はペンを置かせてもらうことにするが、みなさまにはぜひともこのマジック史上最狂のプレインズウォーカーの力を存分に味わってもらいたいと思う。きっと新たな世界への入り口が見えてくるはずだ。
ティボルトの前に道はない。ティボルトの後ろに道はできる。
ティボルトを使わずしてマジックを語るなかれ。
ティボルトを使いこなしてこそ真の一流マジックプレイヤーなのだから。
ん? 僕ですか?
三流でいいです^^
-完-
編者から筆者を紹介します
本コラムを執筆してくれた EXTRA @extra_art さんは、サッカー観戦、とくに柏レイソルへの愛情は人一倍な LMC 大人チームの一員で、ライフマジックバランスをうまく両立させていらっしゃる常連さんです。
LMC 勢随一の拡張アート絵師でもあり、一時期はデッキに入っているすべてのカードを拡張していたほどです。EXTRA さんの拡張したカードを賞品用にご提供いただいたこともありました。いつもお世話になっているプレイヤーの一人です。