LMC 稲毛海岸 314th:ブラッド・ネルソン全試合カバレージ

今シーズンのプロプレイヤー・オブ・ザ・イヤーレースを牽引し、初の POY プレイオフを控える、「現役最強」ブラッド・ネルソンが「チーフ」三田村和弥の招きを受けて LMC に参戦。
ネルソンの対戦をこんなに間近で見られる機会はそうそうない。MDN 特別企画として、ブラッド・ネルソン全試合をお伝えする。
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Round 1 vs 有田隆一

第一試合の対戦相手は、プロツアートップ 8 に 4 回入賞の経験を持つプロプレイヤー有田隆一。一回戦からネルソンにとっても歯ごたえのある試合になりそうだ。
ネルソンは世界選手権でも使用した「Caw-GO!」、そして有田はいまや Tier 1 をひた走る青黒コントロール。長期戦が予想されるが、果たして。
Game 1
ダイスロールの結果、先行は有田。双方マリガンなし。
有田は第一ターンから《コジレックの審問》でネルソンの手から《戦隊の鷹》を落とす。これでネルソンの手札は《定業》《ギデオン・ジュラ》《審判の日》と土地が 3 枚。
ネルソンは次ターンから《定業》を連打し、2 枚目の《戦隊の鷹》と《ジェイス・ベレレン》に辿りつく。これが通り、ネルソンの手札は一気に充実。《戦隊の鷹》が場に出てはターンエンドする、デッキタイトル通り「Caw-GO!」を繰り返す。
対する有田は静かにセットランドを続ける。《戦隊の鷹》が並んだ状況では、プレインズウォーカーを出すこともままならない。
ネルソンは少し考えて《ジェイス・ベレレン》をプレイ。これを有田は《マナ漏出》。エンド時にネルソンが《地盤の際》で《忍び寄るタール坑》を破壊し、有田の動きを牽制する。
ビッグターンは 6 ターン目。ネルソンの《ギデオン・ジュラ》の返しに有田が《墓所のタイタン》!
しかし、ネルソンは《審判の日》から《ギデオン・ジュラ》によるビートを開始。コントロール同士でも派手な呪文が応酬するのが今のスタンダード環境だ。
その後、ネルソンは《天界の列柱》によるアタックを繰り返すが、有田は落ち着いて《広がりゆく海》。さらに《精神を刻む者、ジェイス》をプレイするが、これは次のターンに対消滅。
そして、有田はさらなる《コジレックの審問》で手札を縛ってからの《ジェイス・ベレレン》。そして、《忍び寄るタール坑》によるビートを開始。これにネルソンも《広がりゆく海》。カウンター合戦の末、これが通り、さらに《精神を刻む者、ジェイス》が対消滅。しかし、有田は 2 枚目の《精神を刻む者、ジェイス》を持っていた! ライフは有田の圧倒的不利ながら、ネルソンの手札は《糾弾》《未達への旅》と土地のみ。有田は悠々とネルソンのトップを確認しつつジェイスのカウンターをためるが、ネルソンの引きも強く、《ギデオン・ジュラ》にたどりつく。ここで有田がジェイスの 4 番目の能力を起動。これでネルソンのライブラリーは残り 2 枚。ネルソン、《ギデオン・ジュラ》によるアタックを模索するが、有田の手には《破滅の刃》が。翌ターン、有田が《墓所のタイタン》がプレイすると、ネルソン投了。
ネルソン 0-1 有田
ネルソンのサイドボード
out
2《糾弾》
in
1《剥奪》
Game 2
先行はネルソン。双方マリガンなし。
ネルソン、《定業》から手札を調整するが、ふたたびの有田による《コジレックの審問》。これが《戦隊の鷹》を奪う。第一ゲームの再現だ。ネルソンの手札は《審判の日》2 枚の《呪文貫き》《広がりゆく海》《ジェイス・ベレレン》と土地。有田は次のターンにも《強迫》を撃ち込み、《ジェイス・ベレレン》を落とす。ネルソンは《広がりゆく海》を連打し、有田から黒マナを奪い去る。
しかし、有田は手札にあった沼からの《記憶殺し》!
ネルソンのライブラリーから《精神を刻む者、ジェイス》が追放される。
ネルソンもなんとか《定業》から《戦隊の鷹》を引き込み、ビートダウン体制を構築しようとするが、対消滅を恐れる必要のない有田は、《精神を刻む者、ジェイス》でライブラリーを掘り進み、着々とネルソンを追い詰める準備を。
ネルソン、《戦隊の鷹》でジェイスを殺し、《ギデオン・ジュラ》でのアタックを始めるのだが、そこに飛んでくる有田の《破滅の刃》。さらに有田は《精神を刻む者、ジェイス》を設置して、ネルソンは苦悶の表情。有田、2 枚の《広がりゆく海》でネルソンの白マナを奪おうとするのだが、これをネルソンは《剥奪》で回避。《天界の列柱》でジェイスを殺しつつビートを始める。有田も負けじと《忍び寄るタール坑》でビート。試合は土地ビート勝負に移行するかに思われたが、有田が 3 枚目の《精神を刻む者、ジェイス》。しかし、ブレインストームをして首をかしげる。《天界の列柱》を除去するための《破滅の刃》も《地盤の際》も引けないのだ。
しかし、ネルソンも《精神を刻む者、ジェイス》へのアタックを強制されているため、ライフは 7-7。
《ジェイス・ベレレン》からドローした有田は、ついに《地盤の際》に辿りつく! さらに降臨する《墓所のタイタン》。ここにネルソンは《マナ漏出》。有田はあえて 3 マナを支払わず、打ち消させる。ネルソンの手に《審判の日》があることをケアしてのプレイだ。
ネルソン、残された《戦隊の鷹》1 体で細かくビート。有田のライフを細かく刻んでいく。有田は《墓所のタイタン》をプレイ。今度は《マナ漏出》のマナも支払い、ネルソンの手から《審判の日》を使わせる。さらに、有田の《忍び寄るタール坑》は《広がりゆく海》。そして、《ギデオン・ジュラ》を設置。カウンターをのせ続ける。さらに《地盤の際》で有田の《地盤の際》を破壊してからの《天界の列柱》。しかし、有田は手札に《地盤の際》を持っており、ネルソン苦笑。
ライフはこの時点でネルソン 7-5 有田。ギデオンのアタックが通れば一撃で終わるのだが、有田の手に除去があるのは明白。ネルソンとしては十分なカウンターか次なる脅威を引き込んでから攻撃したい。そして、ネルソンが辿りついたのは《エルズペス・ティレル》!カウンター合戦の結果、これが通る。「I lose じゃね?」思わず漏らした有田だったが、4 枚目の《精神を刻む者、ジェイス》を使用し、わずか 13 枚という残り少ないライブラリーから打開策を探す。
ネルソンは有田を確実に追い詰めるべく、《エルズペス・ティレル》からの兵士トークンでアタック。有田、成すすべも無く。
ネルソン 1-1 有田
ここで、制限時間残り 6 分ということで、ID (合意のうえでの引き分け)。
Round 2 vs 小松智史
2 回戦目は Finals 2009 準優勝者にして、Limits 2010 でもタイブレイクに残り、プロツアーパリへの参戦も確定している「千葉の秘蔵っ子」小松。師匠有田譲りの青黒コントロールで、大金星を挙げられるか?
Game 1
ダイスロールでネルソン先行。
ネルソンは《定業》から手札を整え、小松の《コジレックの審問》を弾きつつ《ジェイス・ベレレン》に繋げる。小松はこの厄介なプレインズウォーカーをに対処すべく《漸増爆弾》を設置。ネルソンはさらに《戦隊の鷹》を追加して「Caw-GO!」。
小松、ネルソンの《地盤の際》を《広がりゆく海》。自らも《忍び寄るタール坑》、《地盤の際》とセットして土地ビート中心の後半戦に備える。
ネルソン、《ジェイス・ベレレン》のお互いドローを使って手札を整えつつ、ジェイスを温存するプレイ。小松は《精神を刻む者、ジェイス》で《ジェイス・ベレレン》と対消滅。ネルソンの場に《地盤の際》があったため、《忍び寄るタール坑》では壊せなかったのだ。
ネルソンは小松のエンドに《地盤の際》で《地盤の際》を破壊。自分のターンに《ギデオン・ジュラ》と、小松にプレッシャーをかけ続ける。
小松は《ジェイス・ベレレン》で対応策を探るが、ネルソンは《天界の列柱》と《ギデオン・ジュラ》でビートダウンを開始。これに小松は《広がりゆく海》で対応するものの、盤面の苦しさは変わらず。一気にライフは 5 にまで落ち込む。
小松が手札に《破滅の刃》を握りこんでいると判断したネルソンは、《ギデオン・ジュラ》を温存して《戦隊の鷹》でのアタックに移行。小松は《精神を刻む者、ジェイス》で打開策を探るものの、そのまま押し切られてしまった。
ネルソン 1-0 小松
小松のサイドボード
out
in
1《強迫》
Game 2
先手小松。
ふたたびネルソンは《戦隊の鷹》から始まり、「Caw-GO!」。小松はこれをカウンターすることが出来なかったが、《天界の列柱》を《広がりゆく海》で潰すことに成功。ネルソンから白マナを奪う。
しかし、ネルソンはしっかりと《平地》を握りこんでおり、《戦隊の鷹》を追加。小松の《記憶殺し》も《呪文貫き》で打ち消し、《精神を刻む者、ジェイス》を降臨。苦しくなった小松だが、《ソリン・マルコフ》をプレイに成功。ジェイスの忠誠値を減らしつつ、ライフを守る。ネルソンはここで少し考え、《定業》で手札に追加のジェイスを引き入れつつ、4 体の《戦隊の鷹》を全投入。アタックでソリンの忠誠値を削るプランに。
小松もジェイスを対消滅しつつ、《戦隊の鷹》をソリンで撃ち落とす。《地盤の際》で《天界の列柱》ケアも万全。
が、ネルソンは手札からの《精神を刻む者、ジェイス》と《定業》でカウンターを手札に。だが、《ソリン・マルコフ》が厚い忠誠で小松を守り続けている。
そこからは小松のソリンがジェイスからドレインを続け、ネルソンの鷹がソリンを削るだけのターン。小松のライフが増え続ける。そして、互いに《広がりゆく海》で相手のミシュラランドを縛るのみ。
しびれを切らした小松はソリンの対象を鷹に変更。ネルソンは笑いながら鷹を墓地へ。そして、ついに手札から《ギデオン・ジュラ》をプレイ。これが通る。
一気に不利になった小松は長考。有り余る手札から《記憶殺し》を選ぶ。これがネルソンに《剥奪》のチャンスを与え、《天界の列柱》を《広がりゆく海》から解放してしまう。
ネルソンは《ギデオン・ジュラ》のアタックで《ソリン・マルコフ》を踏み潰し、小松が満を持して唱えた《墓所のタイタン》を《審判の日》。ジェイスでさらに山札を掘り進み、小松のライフを削りにかかる。小松も《強迫》《広がりゆく海》と抵抗し、生き延びる術を模索する。
しかし、ネルソンが《エルズペス・ティレル》をプレイし、これが通るともはや苦笑しかできない。最後の抵抗である《墓所のタイタン》も《剥奪》されて、小松はカードを片付けた。
ネルソン 2-0 小松
Round 3 vs 渡辺竜二

3 回戦目の対戦相手は、LMCC 2 年連続トップ 8、グランプリ仙台でも初日 7 連勝と、ビッグタイトルに恵まれていないものの着実に成績を重ねている渡辺竜二。デッキは現環境で使いこみ続けている青白コントロール。青白対決を制するのはどちらか。
Game 1
先行渡辺に対してネルソンは《定業》を連打してカウンターと土地を手札に。さらに、2 マナを立てての《戦隊の鷹》で渡辺にプレッシャーをかける。渡辺は《海門の神官》で対抗するが、トップのカードを見て「両方欲しいなあ」と苦笑。ネルソンは《戦隊の鷹》を追加して細々ながらもビートモード。
ネルソン、渡辺の《ジェイス・ベレレン》を《マナ漏出》し、《ギデオン・ジュラ》をプレイ。渡辺は《太陽のタイタン》で《ジェイス・ベレレン》を場に戻す。ネルソン、鷹でジェイスを殺してからの《審判の日》。《ギデオン・ジュラ》だけを場に残す。
渡辺、2 枚目の《ジェイス・ベレレン》を用意し、《前兆の壁》でこれを守るプラン。ゲームを長引かせれば、コントロール要素が強い分渡辺のデッキが有利であるはず。対するネルソンは渡辺のジェイスを殴り殺すべく、《戦隊の鷹》を連打。
渡辺は《海門の神官》で手札を調整しつつ、《ギデオン・ジュラ》への対抗策を探る。ついにネルソンは《精神を刻む者、ジェイス》。これを渡辺は《マナ漏出》するが、ネルソンは 1 マナ残して 3 マナを支払う。《呪文貫き》を考慮に入れた渡辺は、これを許し、カウンターを温存する。
そして、渡辺は次のターンに《太陽のタイタン》から《ジェイス・ベレレン》でネルソンのジェイスを対消滅。さらに《ギデオン・ジュラ》のアタックを《糾弾》で捌こうとするが、ネルソンは《マナ漏出》を持っていた。さらにネルソンは《未達への旅》で《太陽のタイタン》を追放。これで渡辺のライフは一桁に。
渡辺、《精神を刻む者、ジェイス》でさらなる《精神を刻む者、ジェイス》を引き込む。ネルソンはジェイスへのアタックを繰り返すが、渡辺はチャンプブロックでこれを耐え続ける。
渡辺、2 枚の《広がりゆく海》でネルソンの《地盤の際》を破壊しつつ、《審判の日》で局面を打開しようとするが、ネルソンの持つ厚いカウンター陣にこれを阻まれた。
ネルソン 1-0 渡辺
ネルソンのサイドボード
out
2《糾弾》
in
1《剥奪》
Game 2
後手ネルソンが渡辺の《地盤の際》を《広がりゆく海》してゲームスタート。渡辺も《海門の神官》で手札を操作するが、この隙をついてネルソンは《ジェイス・ベレレン》を設置。さらに《未達への旅》で《海門の神官》を追放してジェイスを守ろうとするが、さすがに渡辺は《マナ漏出》。
渡辺、ジェイスを殴り殺すべく《海門の神官》を追加。さらに《広がりゆく海》で、ネルソンの《天界の列柱》をただの《島》に。
ネルソンがジェイスを 2 番目の能力で起動し続けているため、互いに手札は溢れている。
ここで、渡辺が試合を決定づける《光輝王の昇天》。ネルソンは 3 枚のカウンターでこれを阻む。さらにネルソンは《定業》し、既に手札にある《精神を刻む者、ジェイス》よりもカウンターを優先して手札へ。寝技に持ち込むつもりだ。
渡辺、ようやく《ジェイス・ベレレン》を対消滅するが、ネルソンは手札から《精神を刻む者、ジェイス》。これもカウンター合戦の末、通る。
渡辺は《太陽のタイタン》からの《ジェイス・ベレレン》復活でこれに対処。ネルソン、これに対応できず。
ネルソン 1-1 渡辺
ネルソンのサイドボード
out
in
Game 3
先手のネルソンは 7 枚を満足げにキープ。渡辺は首を振ってマリガン後、親指を立ててキープ。
互いにドローゴーからの 4 ターン目、渡辺の《広がりゆく海》が《天界の列柱》を縛る。
しかし、5 ターン目にネルソンの放った《精神を刻む者、ジェイス》が《呪文貫き》のバックアップを受けて通る。
渡辺も何とか《光輝王の昇天》を設置。ネルソンも慎重に《地盤の際》で渡辺のマナを縛りつつ、《戦隊の鷹》。これで、《光輝王の昇天》は無意味に。
渡辺は 2 枚続けて《精神を刻む者、ジェイス》を対消滅。
そして、ネルソンは《ギデオン・ジュラ》!
これに渡辺は《糾弾》を用意していたが、ネルソンは《マナ漏出》、《呪文貫き》 2 枚を保持しており、右手を差し出すほかなかった。
ネルソン 2-1 渡辺
Round 4 vs 菅野充臣
4 回戦目は菅野充臣。「世界の ISO」こと大磯正嗣が世界選手権で使用した「あじわいシャーマン」をはじめ、個性的なデッキを開発することで知られている。本日使用するデッキは「過去最高額」の札束デッキらしいが、果たしてその内容は?
Game 1
先手の菅野がセットしたのは順に《活発な野生林》、《島》、《カルニの庭》《ハリマーの深み》。どうやらバントカラーのコントロールデッキらしい。
対するネルソンは《戦隊の鷹》を用意できないままドローゴー。
5 ターン目、菅野は 2 マナ残しての《ジェイス・ベレレン》。これは《剥奪》されるが、次のターンの《酸のスライム》は通り、ネルソンは苦しそうに土地を墓地へ。菅野が放ったさらなる脅威である《滞留者ヴェンセール》は《マナ漏出》し、《酸のスライム》には《糾弾》。
次のターン、菅野はネルソンのエンドに《召喚の罠》からの《精神を刻む者、ジェイス》。これをネルソンは《ジェイス・ベレレン》で対消滅しようとするが、そこに飛んでくる菅野の《マナ漏出》。
ネルソン 0-1 菅野
ネルソンのサイドボード
out
2《糾弾》
in
1《剥奪》
Game 2
先手のネルソン、2 枚の《呪文貫き》を擁するハンドを満足そうにキープ。次なるドローで《精神を刻む者、ジェイス》も引き込む。
菅野は後手 4 ターン目に《ムル・ダヤの巫女》。これが通って、ネルソンは苦しげな表情。対抗すべく《ギデオン・ジュラ》を送り出す。
ライブラリートップから 2 枚の土地がめくれ、菅野は潤沢なマナから《原始のタイタン》! 《ハリマーの深み》と《地盤の際》を追加する。
ネルソン、そのまま圧殺。
ネルソン 0-2 菅野
Round 5 vs 三田村和弥

決勝ラウンドへの進出をかけたスイスラウンド最終戦の対戦相手は「チーフ」「魔界の番人」こと三田村和弥!
ネルソンを LMC に招いたホストであり、プロツアー・ホノルル王者。先日の世界選手権ではそのプレイングはもちろん、顔の広さも見せつけた。
さあ、ネルソンは勝ってベスト 8 に進めるのか?
Game 1
先手の三田村は悠々とキープ。対するネルソンはダブルマリガン。
しかし、ネルソンの《戦隊の鷹》が通り、事実上のノーマリガンまで回復。続くターン、ネルソンは手札にアンタップインのハンドがないため、タップインのランドでゴー。そこに三田村は《コジレックの審問》《強迫》で《戦隊の鷹》と《冷静な反論》を落とし、《精神を刻む者、ジェイス》まで繋ぐ。しかし、ネルソンの場には既に 3 体の《戦隊の鷹》が「CawCaw」鳴いている。
と、ここで三田村が「あー!」と声を上げる。なんと、サイドボード後のデッキで戦っていたのだ。大会レベル的には警告のみでそのまま続行の場面だが、フェアプレイを重んじる三田村は、投了。
ネルソン 1-0 三田村
Game 2
先手の三田村はキープ。ネルソンはふたたびマリガン。
三田村、《強迫》で公開された手札から《ジェイス・ベレレン》を落とす。残りの手札も《呪文貫き》《剥奪》《ギデオン・ジュラ》とカロリーが高い。
三田村は《海門の神官》で手札を整えつつ、ビート開始。ネルソンは仕方なく《地盤の際》で三田村の《地盤の際》を破壊し、ゲームスピードを遅らせる。そこからはコントロール対決特有のドローゴー。互いに手札とマナ基盤を整えつつ、ビッグターンに備える。三田村の《地盤の際》と《広がりゆく海》がネルソンのマナと《天界の列柱》を縛っていく。
たまらずネルソンは《戦隊の鷹》をプレイ。これを三田村が《冷静な反論》。手札に 2 枚の《剥奪》と《呪文貫き》のあるネルソンは、長考の末これを《呪文貫き》でカウンター。3 枚の《戦隊の鷹》を手札に加えてエンド。
三田村は次のターンに《ジェイス・ベレレン》。これは《剥奪》されてネルソンの手札にリフレッシュされた《天界の列柱》が戻るが、三田村の《マナ漏出》が無事にジェイスを守る。ネルソンは《戦隊の鷹》を追加してプレインズウォーカーを殺しに係る。しかし、いかんせん引きが悪い。対する三田村は《ジェイス・ベレレン》と《定業》で強い手札を保持している。そのまま《忍び寄るタール坑》によるビートを開始。
ネルソンは 2 枚の《戦隊の鷹》で《ジェイス・ベレレン》の忠誠値を削りつつ、《ギデオン・ジュラ》。ダメージレースについて行こうとする。
しかし、三田村は 2 枚の《忍び寄るタール坑》でこれを破壊。
ライフが 10 しかないネルソンは、このままでもジリ貧と、投了。
ネルソン 1-1 三田村
Game 3
祈りながらネルソンがドローすると、そこには《冷静な反論》《精神を刻む者、ジェイス》《エルズペス・ティレル》《審判の日》土地 3 枚という満足のいくハンドが。このマッチ初の 7 枚キープである。
三田村は《コジレックの審問》から《冷静な反論》を落とし、ネルソンがプレイした《定業》を《マナ漏出》。さらに《漸増爆弾》を設置しつつの《ジェイス・ベレレン》と、ネルソンにプレッシャーを与え続ける。
対するネルソンもジェイスを対消滅するのだが、三田村はさらなる《精神を刻む者、ジェイス》を。さらに《強迫》でネルソンの手からカウンターを奪っていく。
ネルソン、《戦隊の鷹》を通して手札を増やすのだが、根本的な解決にはならない。
三田村は 2 枚の《広がりゆく海》によってネルソンの白マナを完全に封じ、《漸増爆弾》をジェイスを潰せる 3 以上に増やす。さらに《墓所のタイタン》を追加して、ゲームを決定づけた。
ネルソン 1-2 三田村
Caw-Go - Brad Nelson / LMC Inage Kaigan 314th | |
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4 戦隊の鷹/Squadron Hawk |
3 広がりゆく海/Spreading Seas 3 天界の粛清/Celestial Purge 2 糾弾/Condemn 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 審判の日/Day of Judgment 1 剥奪/Deprive 1 エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel 1 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren 1 地盤の際/Tectonic Edge |
トップ 8 に残れなかったネルソンは、ドラフトへ。引き続き、ネルソンのドラフトピックとマッチをお送りする。
以下、ピックしたカード(他の候補)
Pack 1
2:《金屑化》
(《錆びた秘宝》)
4:《闇の掌握》
6:《屍百足》
(《ゲスの玉座》)
10:《魂の受け流し》
11:《刃族の狂戦士》
12:《屍気の香炉》
13:《オキシダの向こう見ず》
14:《ロクソドンの旅人》
Pack 2
1:《転倒の磁石》
2:《拘引》
(《空長魚の群れ》)
4:《マイア鍛冶》
5:《拘引》
(《煙霧吐き》)
6:《苦行主義》
7:《感染の賦活》
9:《魂の受け流し》
10:《ロクソドンの旅人》
11:《汚れた一撃》
12:《冷たき集いの吸血鬼》
13:《水膨れ地掘り》
14:《秘宝の腐敗》
Pack 3
3:《鉄のマイア》
(《光明の大砲》)
6:《存在の破棄》
7:《屍肉の呼び声》
9:《選別の高座》
10:《モリオックの肉裂き》
11:《回収の斥候》
12:《テル=ジラードの抵抗》
13:《黒割れのゴブリン》
14:《秘宝の腐敗》
SOM Draft - Brad Nelson / LMC Inage Kaigan 314th SE | |
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1 鉄のマイア/Iron Myr 1 胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr 1 屍百足/Necropede 1 マイア鍛冶/Myrsmith 2 ガルマの保護者/Ghalma's Warden 1 刃族の狂戦士/Blade-Tribe Berserkers 1 オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter 1 ダークスティールの巨大戦車/Darksteel Juggernaut 1 ゴーレムの職工/Golem Artisan |
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Round 1 vs Ryan Gustafson
初戦の相手は友人であるライアン。《槌のコス》と《オパールのモックス》を取りきってご満悦。
Game 1
ダイスロールに勝ったが、ネルソンは後手を選択。ライアンは満足な手札に恵まれず、渋々マリガン。
ライアンの《胆液爪のマイア》、ネルソンが《きらめく鷹の偶像》からゲームスタート。さらにライアンは《王の摂政、ケンバ》と《調和者隊の盾》でトークンを生み出しつつビート。さらに《オパールのモックス》を設置して《ダークスティールの巨大戦車》へとつなげる。
ネルソンも負けじと《屍気の香炉》《刃族の狂戦士》《ゴーレムの職工》と展開。
しかし、既に 4/4 に育った《ダークスティールの巨大戦車》が止められない。仕方なくネルソンも《ダークスティールの巨大戦車》をプレイ。そのまま地上を固め、飛行戦力がライアンを殴り殺した。
ネルソン 1-0 ライアン
Game 2
先手はネルソン。
ライアンの土地が止まっているうちに《恐慌の呪文爆弾》、《鉄のマイア》、《ガルマの保護者》と大きく展開。さらに《思考の三角護符》まで設置して万全。
対するライアンも 2 枚のマナマイアから《王の摂政、ケンバ》と《ダークスティールの斧》を置いて、反撃の準備。
しかし、ネルソンは《屍気の香炉》を追加して一気にライフを削る。《恐慌の呪文爆弾》の効果と《刃族の狂戦士》のビート、さらに追加された《きらめく鷹の偶像》による飛行ビートが、ライアンを死へと追いやった。
ネルソン 2-0 ライアン
Round 2 vs 門田真一
2 戦目の対戦相手はドラフトマイスター 2009 に輝いた門田真一。果たしてマイスターのドラフト技術は世界に通用するのか。
Game 1
先手の門田の《トゲ撃ちの古老》。土地が引けない門田は《よじれた映像》でドローを進め、《板金鎧の海うろつき》を追加。《血まなこの練習生》と《ダークスティールの斧》コンボに辿りつく。
対するネルソンは 2 枚の呪文爆弾から、《転倒の磁石》と《刃族の狂戦士》を並べるが、《血まなこの練習生》がネルソンのすべてを焼き尽くした。
ネルソン 0-1 門田
Game 2
ふたたび後手を選んだネルソンは、2 枚の《起源の呪文爆弾》、《きらめく鷹の偶像》とテンポよく展開する。
対して門田は《ヴァルショクの模造品》《板金鎧の海うろつき》《ニューロックの透術士》と、よりクロックの大きなビートを用意。
しかし、ネルソンは《オキシダの屑鉄溶かし》でアドバンテージを稼ぐと、《ダークスティールの巨大戦車》を追加。破壊されないクロックで勝負を決めにかかる。
門田は《ヴァルショクの心臓焚き》と《血まなこの練習生》で《オキシダの屑鉄溶かし》を除去するが、ネルソンはさらに《堕落の三角護符》を追加。門田の《ニューロックの透術士》を除去し、追い詰める。
ダメ押しの《刃族の狂戦士》まで現れると、門田にはこの攻撃を止める術はなかった。
ネルソン 1-1 門田
Game 3
先手を選択した門田は 1 マリガン。しかし、6 枚に減った手札は《板金鎧の海うろつき》と《ダークスティールの斧》を含む軽量ビートの可能なハンド。
ネルソンは《板金鎧の海うろつき》を《屍百足》でブロックし、-1/-1 カウンターを。さらに《きらめく鷹の偶像》を追加する。次なる《ゴーレムの職工》は、門田が《停止命令》。これにはネルソンも苦笑。
門田は《ヴァルショクの模造品》と《ヴァルショクの心臓焚き》で戦線を整えるが、ネルソンはまたも《ダークスティールの巨大戦車》。
門田は《粉砕》で《きらめく鷹の偶像》を割り、ダメージを軽減しつつ、《ダークスティールの巨大戦車》をチャンプブロック。
しかし、ネルソンのアタックが通り始めると確実にライフが減っていく。さらにネルソンが《屍気の香炉》を追加すると、門田のライフは一桁に。
門田、起死回生の《トゲ撃ちの古老》をプレイ。《ダークスティールの斧》によって強力な無限砲台が完成する。ネルソンは《トゲ撃ちの古老》を《金屑化》したものの、門田がトップから《ヴァルショクの心臓焚き》を引き込み、ネルソンの残りわずかなライフを削りきった。
ネルソン 1-2 門田
編注:
その後マジック分が足りないネルソンは、当たり前のように次のドラフトにエントリーし、今度こそ 3 連勝で勝利していました。このドラフトの観戦記事がないのは、ライターの佐藤氏も同卓でドラフトしていたからである。一日記事を書き続けて、マジック分が足りなくなってしまったゆえとご理解いただきたく。
その後執り行われていた忘年会では、ひげが立派な大きな子どもが、たいへんいい笑顔でビールをたしなまれていたように思います。マジックは世界の共通語ですね。
- ブラッド・ネルソン@稲毛海岸 裏話編
http://cramcram.diarynote.jp/201012201345324568/ - 関連記事:LMC 稲毛海岸 314th 結果