コンフラってるかい?
2 月 6 日に発売を迎えた、新エキスパンションである“コンフラックス”。その解禁を経て初めての週末に早速 LMC が開催とあるので、筆者も「《茨異種/Thornling》試したーい」とか叫びながら、前環境から使っている「親和エルフ」を持ち込んで、プレイヤーとして参加してみた。
……の、だが。結論から言うと、今ご覧頂いている拙稿がさっくりと仕上がっちゃう程度には時間が空いたので(注:察してください)、せっかくの解禁直後ということで新セットの注目カードを中心に、ゆるめにお届けしよう。
参加人数は 30 名。いつもよりやや少なめだが、これは併催イベントに「ランチパーティー」と銘打たれたシールドトーナメントが開催されていたため。構築・限定の両面で“コンフラックス”を遊び倒す土曜日となっていた。
●Breakdown からみる“コンフラックス”
5 | トースト系(Top 8 2人) |
4 | 赤白トークン(Top 8 2人) |
3 | 親和エルフ(Top 8 2人) |
2 | 白単キスキン(Top 8 1人) |
2 | 黒緑エルフ |
2 | フェアリー |
2 | ドラン |
2 | ジャンドビッグマナ |
1 | 青黒白ヒバリ |
1 | リアニメイト |
1 | 青緑白ならず者 |
1 | バントコントロール |
1 | 赤黒トークン |
1 | 黒白トークン |
1 | ヒバリ -ユグドラシル-(Top 8 1人) |
1 | ブライトニング |
多数勢力が順当に上位入賞するというわかりやすい流れの中、各デッキリストを流し見てみると、やはりまだコンフラックス入りのデッキ。もっというと、コンフラックスのカードを主眼に据えたデッキというのは、さすがにまだ出てきていないようだ。とはいえ、ローグデッキの中からいくつか面白い発想のデッキはあったので、今後に期待しよう。
●キーワードは「……パス」
カード単体に注目すると、圧倒的に《流刑への道/Path to Exile》の投入数が群を抜いている。上位陣のデッキを見ると、トーストや赤白トークンはほぼフル投入に近い。その効果のほどと、併せ持つリスクから実際のトーナメントでの使用に耐えうるのかどうか。また、実際のテンポなどを踏まえたうえで、使用していたプレイヤーに簡単なインタビューを実施してみた。
トップバッターは、白単キスキンを操ってプレーオフに進出した田部 敬太(千葉)。昨年秋以降、LMC でいうところの「今シーズン」が始まってから、圧倒的な勝率でぶっちぎりでポイントレースのトップに立っている、今年注目のプレイヤーだ。

田部 「3 ターン目のアクションが全然違ってきますね。これまでは《損ない/Unmake》を構えなくちゃいけなくて、ワンアクションが精一杯。しかも《変わり谷/Mutavault》があるとそれもできなかったのが、3 ターン目に 2 つ動けるようになるのが大きいです。普通、キスキンは《変わり谷》が 2~3 枚くらいしか入らないんですが、《流刑への道》のおかげで 4 枚フル投入です」
なるほど。テンポを得たことで、デッキパワーそのものの底上げにも貢献しているわけだ。
続いて、決勝ラウンドへ赤白トークンで勝ち上がった宮本 寛弥(千葉)。通称「ぽぽりん」。LMC ではコンスタントにプレーオフへと進出している若手の 1 人だ。

宮本 「《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》とシナジーになるので、リスクを感じないですね。1 マナのインスタントでフェアリーの《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を落とせるのが偉いと思います」
相手のターンに取れるアクションがほとんど無いことで、フェアリーのターンを作らせてしまっていた感のあった赤白トークン。しかし、小回りが効くようになったことで得た恩恵は大きいようだ。また《白蘭の騎士》と合わせて使うことで、テンポを取りつつマナ展開のスピードも相手に負けないシステムは絶大だ。
最後に、コントロールサイドからの意見も聞いてみよう。最近、オリジナル構成の 5 色トーストで好成績を残し続けている今村 宏隆(千葉)。千葉メンツ屈指のイケメンに「ボードコントロールとしての」《流刑への道》を聞いてみた。

今村 「使った感じは《恐怖/Terror》や《糾弾/Condemn》と一緒ですね。今は環境的に《恐怖》がすごく強いので、《流刑への道》ならではという強さは特別感じなかったです。ただ、「鮮烈土地」などタップインの土地が多いので、序盤に 2 マナ立てて《恐怖》を打てないシーンは多々あるので、そういった限られた場面では光りましたかね」
小堺 「じゃあ、次回トーナメントに出るとしたら、《流刑への道》よりも《恐怖》?」
今村 「メタ次第なので、どっちがどうとは今の時点で明言はできませんが……。環境がすごく早くなれば《流刑への道》も必要でしょうし。ただ、今だと《恐怖》の方がいいですね」
《流刑への道》自身が、テンポ獲得が第一になるカードゆえに、代替の効く多色コントロールデッキでは、出番は限られてくるようだ。
話をまとめると、「白系ビートダウンのお供として評価が高い」という結論が出た。万能な除去ではあるが、その用途は「攻めの為の守りのカード」ということか。キスキンや赤白トークンが白マナ 1 つ浮かせていたら、《流刑への道》をケアしなくてはならないという事だ。また、彼らの使用していたデッキについては、別にアップされる予定の本戦記事を参照して欲しい。

1 マナで驚きの対費用効果を生み出すが、白が入る全てのデッキにとっての回答とまでは至らないようだ
この 1 マナインスタントが環境に落とした影響、効果は、前出の田部と宮本が決勝を争っていることからも、小さくないことがわかる。しかし、これは“コンフラックス”の魅力のほんの一握りに過ぎない。まだまだ、環境は始まったばかりだ。《流刑への道》だけではなく、プレイヤーであるあなた自身が、コンフラックスから独自の「○○への道」というべき強カードを探してみて欲しい。
それでは、また次回に。