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LoMから見たメタゲーム ~空白の1日を経て~ はてなブックマークに追加 livedoor クリップに追加

[2003/10/18]

Written by 小堺透雄

満を持して、LoM が開幕しました。

戦前……すなわち、高知のメタゲームの推測から、一体何がどう変わって環境に影響を与え始めているのか。今年度の LoM に参戦した 56 名のプレイヤーのデッキ分布から洗い出してみようと思います。

デッキ分布

《主勢力》
13青白コントロール
1 《変幻の杖/Proteus Staff》
3 八十岡デッキ
9サイクリング
7ゴブリン
4 スライ
3 《総帥の召集/Patriarch's Bidding》
5メガ・ブルード
2 《メガエイトグ/Megatog》のみ
1 《ブルードスター/Broodstar》のみ
2 両方
5ポンザ
《その他》
6ビートダウン系
2黒単クレリック
2黒緑
1白緑
1白単
6コンボ系
4茶単
2《分かち合う運命/Shared Fate》
2黒コン
1白黒コン
1白緑コントロール
1ゾンビ召集

戦前の予想通り、勝ち組たる"青白コントロール"と"サイクリング"が人気を 2 分し、追随して"ゴブリン"という図式。

しかし異なるのはその戦績で、初日の 3 回戦でサイクリングが全勝の 6 人の中におらず、青白コントロール×2・メガエイトグ・黒コン・スライ・茶単がその全勝の内容であり、率直な感想としてメタられたサイクリングが思うように勝ち星を挙げられない中で、多種多様なデッキタイプが駆け上がってきたという印象です。

ではこのデータから各デッキタイプの特長などを見ていきましょう。

青白パーミッションの躍進 ~八十岡デッキとは??~

その中でも、青白コントロールの 2 つは田中久也と八十岡翔太が使用した通称『ヤソデッキ』と呼ばれるもので、2-1 の有田隆一を含めて使用した 3 名の戦績が 8-1 というから驚異的な勝率と言えるでしょう。

それだけのパフォーマンスを見せたこのデッキのシステムに迫ってみましょう。

WU Control - Tanaka Hisaya / Lord of Magic Championships 2003
 3  真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
 3  賛美されし天使/Exalted Angel
 1  映し身人形/Duplicant
 1  トリスケリオン/Triskelion
 1  永遠のドラゴン/Eternal Dragon

9 Creatures 4 知識の渇望/Thirst for Knowledge 2 正義の命令/Decree of Justice 4 神の怒り/Wrath of God 3 マナ漏出/Mana Leak 2 蒸気の連鎖/Chain of Vapor 1 交易路/Trade Routes 3 巻き直し/Rewind 3 忘却石/Oblivion Stone 1 骸骨の破片/Skeleton Shard 2 加工/Fabricate 1 波停機/Stabilizer
26 Spells 9 平地/Plains 6 島/Island 1 沼/Swamp 1 大闘技場/Grand Coliseum 1 古えの居住地/Ancient Den 1 教議会の座席/Seat of the Synod 2 隠れ石/Stalking Stones 4 沿岸の塔/Coastal Tower
25 Land 60 Total Cards
 4  赤の防御円/Circle of Protection: Red
 4  因果応報/Karma
 1  波停機/Stabilizer
 1  精神隷属器/Mindslaver
 2  もみ消し/Stifle
 1  巻き直し/Rewind
 2  聖なる場/Sacred Ground

15 Sideboard Cards

《狡猾な願い/Cunning Wish》という万能カードを失ったパーミッションが、時代に求めたサーチ系カードの回答。それが多機能かつメタに沿ったアーティファクトを導き出す《加工/Fabricate》だったわけです。

Solemn Simulacrum
ミスター・アドヴァンテージ

メインボードにスプラッシュされた 1 枚ずつの『ある定義』に対して対策となるアーティファクトを探し出せる事は、《加工》の枚数分だけそのカードを投入しているという事と同じ。

メタを考えた効果的なアーティファクトを選択する事で、デッキ内のカウンター枚数を絞って残りのスロットをパーマネントコントロールとリソース確保に回せるメリットは、戦績が物語っているように効果的に作用したようです。

また、1 枚投入されている《沼/Swamp》は、《骸骨の破片/Skeleton Shard》を回すのにとても重要な役割を果たしたとの話もありました。

安定した土地供給を促す《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》は、まさにキャントリップ付きの《融けゆく氷河/Thawing Glaciers》。これを循環して使用するのですから、本当にアドバンテージの塊のようなデッキです。

同じマナ域では 1 対 3 交換が出来る《集中/Concentrate》もあるのですが、再利用が利くことに加えて青白が『序盤を生き残る可能性』を拡げる事が目的であるデッキである以上、筆者個人としても推奨するのは《真面目な身代わり》でしょうか。

一発コンボの末裔 ~2匹と共に真実へ……~

《メガエイトグ/Megatog》《ブルードスター/Broodstar》

赤と青の 2 体の大型クリーチャーは、スポイラーの時点から一発コンボの可能性を常に追求され続けてきたカードですが、実際のところ『トーナメントに持ち込むには安定感が足りないのでは?』というイメージが、いま現在この記事を書いている時点でも拭え切れていません。

……それでもこのデッキタイプが駆け上がって来たということは、3 回戦という短いスパンであるという理由以上にもっと確たる証明が必要になります。

Glemrin Festa - Suzuki Yuji / Lord of Magic Championships 2003
 2  メガエイトグ/Megatog

2 Creatures 4 マナ漏出/Mana Leak 4 知識の渇望/Thirst for Knowledge 4 物読み/Thoughtcast 3 金粉の水蓮/Gilded Lotus 2 衝動のタリスマン/Talisman of Impulse 2 威圧のタリスマン/Talisman of Dominance 2 耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence 4 発展のタリスマン/Talisman of Progress 3 正義の命令/Decree of Justice 4 神の怒り/Wrath of God 4 滅殺の命令/Decree of Annihilation
36 Spells 2 島/Island 2 平地/Plains 4 大焼炉/Great Furnace 4 教議会の座席/Seat of the Synod 4 古えの居住地/Ancient Den 3 空僻地/Glimmervoid 3 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
22 Land 60 Total Cards
 4  因果応報/Karma
 3  紅蓮地獄/Pyroclasm
 3  供犠台の光/Altar's Light
 2  もみ消し/Stifle
 2  第二の日の出/Second Sunrise
 1  正義の命令/Decree of Justice

15 Sideboard Cards

コンボデッキの宿命は、デッキを安定させようとするとコンボ成功率が大幅に減少し、中途半端なコントロール風のデッキになってしまうこと。

すなわち、『コントロールデッキを作った方が強いじゃん』状態に陥ってしまう事です。

そしてコンボ成功の可能性だけを追求すると、ちょっとした横風で手折られてしまう事という 2 つの相反する要因を抱えた事で、ここ最近はコンボデッキそのものの凋落もあってなかなか表舞台に出てくる機会も無かったわけですが、コンボデッキに重要な要素というのが実はもう 1 つ。

それは、メインのコンボ以外の勝ち手段を用意する事です。

鈴木のデッキの場合、それが《正義の命令/Decree of Justice》であり、《メガエイトグ》自身は 2 枚に抑えた上に、メガエイトグデッキでは良く見かける《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》も廃して盤面をコントロールするカードを豊富に投入する戦法を取っています。

Broodstar
Megatog
2匹と共に、真実へ……

これは、先程の例に挙げた『コンボデッキの宿命』の前者にあたるのですが、《物読み/Thoughtcast》 《知識の渇望/Thirst for Knowledge》 《滅殺の命令/Decree of Annihilation》のフル投入がそれぞれ、『キーカードを引き当てる確率の上昇』『相手の相対的な速度を落とす事によってコンボ成功率を上げる』という 2点 を担っています。

コンボデッキは、コンボを成功させるだけでなく『デッキそのものを成功させる事を前提に構築すべきである』という課題を見事にクリアした良いサンプルだと思います。

さらに、コンボの確率を上げるにあたって《メガエイトグ/Megatog》《ブルードスター》の両方を採用したデッキもありましたが、こういうアプローチの方法もありだと思います。

どちらも構成は近いものになるはずですから、その両方を採用するのは全く無理は無いでしょう。

ただ、この 2 匹は性質が若干異なるのでタイプの違いを見極めておきましょう。

具体的には、一発で人を殺す力があるが失敗した時のリスクは大きい《メガエイトグ》。一発で人を殺す力は無いがリスク無しにおかわりを投入できる《ブルードスター》

コンビネーションアタックを決める時には、オトリをどちらにするかが決め手になりそうです。

黒いデッキが向かう道 ~ネクロディスクの再興?~

《因果応報/Karma》で完封。

誰もがこう思い、こんな受難の中でも黒コンを選択して勝ちあがっている事実に、まずは敬意を表したいです。

即効性がある分、後半戦に引いてきても効果的な《因果応報》はある種《たい肥/Compost》以上に辛い相手なのですが、それに対処出来るカードは《忘却石/Oblivion Stone》のみ。

果たして、このデッキのポテンシャルはどこにあったのでしょうか?

Natural Black Control - Nakamura Masaya / Lord of Magic Championships 2003
 2  ボトルのノーム/Bottle Gnomes
 2  光網の観察者/Grid Monitor
 2  戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful

6 Creatures 4 忘却石/Oblivion Stone 4 ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena 4 魂の消耗/Consume Spirit 4 恐怖/Terror 3 燻し/Smother 3 脅迫状/Blackmail 2 蔓延/Infest 2 迫害/Persecute 2 力の確約/Promise of Power 1 苦痛の命令/Decree of Pain
29 Spells 19 沼/Swamp 4 やせた原野/Barren Moor 2 隠れ石/Stalking Stones
25 Land 60 Total Cards
 3  ひっかき爪/Scrabbling Claws
 3  精神ヘドロ/Mind Sludge
 2  無残な助言/Grim Reminder
 2  選別の秤/Culling Scales
 2  ボトルのノーム/Bottle Gnomes
 2  蔓延/Infest
 1  光網の観察者/Grid Monitor

15 Sideboard Cards

黒コンの特性として、メタゲームに合わせてメインとサイドを手札破壊と生物除去の 2 つのモードを入れ替える事が出来る点があります。

Swamp
痛ましい基本地形は、青白の海を生き残れるか

今回の中村のデッキの場合、メインが生物対処、サイドが手札破壊を含めたボードコントロールというシフトを取っており、標的を生物に定めている事が見て取れます。

しかし、メタの対象となるべきはサイクリングと青白である現在の状況。

これに対して疑問を投げ掛けたい所なのですが、4 枚投入されている《恐怖/Terror》《賛美されし天使/Exalted Angel》への強烈な回答にもなっていますので、レシピ以上に手広く構えている構成なのかと思います。

しかし、メインボードにはやはり《選別の秤/Culling Scales》が欲しいところです。

黒単構築の改良ポイントとして、黒マナを出すソースを《沼/Swamp》だけに依存しない構成を取ること。これが出来ればスキと言われる部分はだいぶ解消出来るのではと思うのですが、バランスは相当に難しいと言えます。

また、《超次元レンズ/Extraplanar Lens》を使用して暴発したマナからの《魂の消耗/Consume Spirit》を狙ったタイプもありましたが、《忘却石/Oblivion Stone》を回すことを前提に構築されている以上はあまり無理をしないのが得策かと思います。

ちなみに、《魂の消耗》を考えないのであれば土地構成は《雲上の座/Cloudpost》《邪神の寺院/Temple of the False God》を加える方策もあります。まだまだ試せる要素はたくさんあるはずです。

黒に課せられた宿題は、依然として山積みのままなのです。

炎を歩むもの ~スライの逆襲~

戦前のメタゲームで、『召集入り』であるか否かによっての有利不利を説いたのはつい先日の話。全勝ラインに残ったのは、樽の操る赤単のゴブリンスライ。

《炎歩スリス/Slith Firewalker》を投入してスピードアップを図り、《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》で恒久的なクリーチャー強化。そして、事実上クリーチャー戦闘でのダメージを 15 点叩き込めば良いという確約を得るターミネーターである《爆片破/Shrapnel Blast》

ミラディンが赤に送り込んだ戦力は、確実に機能を始めているようです。

Goblins - Taru Genki / Lord of Magic Championships 2003
 4  ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder
 4  怒り狂うゴブリン/Raging Goblin
 4  ゴブリンの戦長/Goblin Warchief
 4  ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver
 4  つつき這い虫/Clickslither
 1  刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing
 1  ゴブリンのうすのろ/Goblin Goon
 2  火花鍛冶/Sparksmith
 4  炎歩スリス/Slith Firewalker

28 Creatures 2 爆片破/Shrapnel Blast 3 骨断ちの矛槍/Bonesplitter 4 火山の鎚/Volcanic Hammer
9 Spells 16 山/Mountain 4 大焼炉/Great Furnace 3 ゴブリンの穴ぐら/Goblin Burrows
23 Land 60 Total Cards
 3  ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher
 3  波停機/Stabilizer
 4  宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator
 3  星の嵐/Starstorm
 1  刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing
 1  火花鍛冶/Sparksmith

15 Sideboard Cards

除去しても除去しても期待値パワー 5 以上で殴ってくるゴブリンの群れ。

Slith Firewalker
速攻!速攻!!速攻!!!

『ビートダウンデッキはいない』と割り切って火力を極限まで削り、豪華 17 体の速攻付きクリーチャーによって常にトップスピードを維持する構成で、《総帥の召集/Patriarch's Bidding》無しに 1 体 1 体のクリーチャーがノータイムかつ危険なサイズで襲い掛かってくる。

カウンターしようにもし切れない、全体除去は間に合わない構築をしている点はブロック構築時からのスライの真骨頂でしょう。

色マナの心配が要らない点で、スライはゴブリン召集と比較して安定していると言えます。しかし、これまでのスライの利点を語ったのは、デッキが順調に回った時の話。

一度傾いた流れを取り戻せるか取り戻せないかというポイントに焦点を絞ると、やはり"召集入り"に軍配が上がります。

『表の展開だけで押し切れる』とジャッジするか。

『二の太刀が必要だ』とジャッジするか。

もちろん、この 2 択を決定するのはこれを読んでいるあなた自身です。

THE MIRRODIN!

茶単。

《メガエイトグ》《ブルードスター》のデッキも茶単といえば茶単なのですが、やはりアーティファクトを主軸にしてこその『茶単』なわけで、その意味で言えば『アーティファクトを展開してアーティファクトで勝つ』というコンセプトを持ったデッキが、茶単の名を冠するに相応しいと考えたいですね。

Storm - Yokosuka Tomohiro / Lord of Magic Championships 2003
 4  金属ガエル/Frogmite
 4  マイアの処罰者/Myr Enforcer

8 Creatures 4 上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb 4 発展のタリスマン/Talisman of Progress 4 威圧のタリスマン/Talisman of Dominance 1 耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence 4 物読み/Thoughtcast 4 知識の渇望/Thirst for Knowledge 3 流れ込む知識/Rush of Knowledge 2 苦悶の触手/Tendrils of Agony 2 精神の願望/Mind's Desire 2 金粉の水蓮/Gilded Lotus 3 時間の亀裂/Temporal Fissure
33 Spells 4 教議会の座席/Seat of the Synod 4 大焼炉/Great Furnace 4 囁きの大霊堂/Vault of Whispers 3 古えの居住地/Ancient Den 1 空僻地/Glimmervoid 3 島/Island
19 Land 60 Total Cards
 2  もみ消し/Stifle
 2  袖の下/Bribery
 3  踏みにじり/Override
 2  紅蓮地獄/Pyroclasm
 2  野火/Flashfires
 2  無効/Annul
 2  ブルードスター/Broodstar

15 Sideboard Cards

Temporal Fissure
さあ、《激動/Upheaval》の時間だ。もちろんお前だけな。

横須賀の『茶単』は、各種タリスマンの高速展開からストームとドロー補助呪文、それに親和クリーチャーにサポートされて《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を決める『ことも出来る』コンボデッキに見えますが、主とする勝ちパターンは、親和クリーチャーの高速展開でからのストーム《時間の亀裂/Temporal Fissure》という斬新なモノ。

これでもかというぐらいにミラディンのカードをデッキに投入している横須賀のデッキは、《ブルードスター》とは違ったアプローチで親和というシステムをストームに絡めて活用している点において非常にポイントが高く、しかもかなり高度であり柔軟性と安定度を高めた構成は、鈴木のメガエイトグデッキと通じるところがあります。

やはり、コンボ系デッキの躍進には『デッキそのものの成功』がまずは第一地点であるという事でしょう。

え?《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》

それはあまりYesじゃないですね。《第二の日の出/Second Sunrise》やカウンター呪文の増加がキーになりそうです。

さて、とりあえず LoM 前半戦のメタゲームを振り返ってみました。

ここからロチェを経て、再びスタンダードで戦った後にベスト 8 が決定します。果たして駆け上がって行ったデッキはこの中にあるのでしょうか?

答えはまもなく開幕する決勝トーナメントで明らかに……

Last update on 2003/10/21 04:42

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